
「筋トレしてるんだけど、タンパク質さえ摂っていればいいんでしょ?」
「PFCバランスって聞いたことはあるけど、筋トレしてる場合は何がどう変わるの?」
「ネットで調べたら数値がバラバラで、結局どれを信じればいいかわからない…」
もしこんなふうに感じたことがあるなら、この記事はまさにそんなあなたのために書いています。
PFCバランスの基本はこちらの記事で解説していますが、実は筋トレをしている人としていない人では、最適なPFCバランスがまったく違います。
この記事では「筋トレの効果を最大限に引き出すためのPFCバランス」を、国際的な研究データをもとに、できるだけ具体的にお伝えします。
まず結論から。筋トレ中のPFCバランス「黄金比率」
いきなりですが、結論を先に出します。

| 目的 | P(タンパク質) | F(脂質) | C(炭水化物) | 摂取カロリー目安 |
|---|---|---|---|---|
| 増量期 | 25% | 25% | 50% | 体重(kg) × 35〜40 kcal |
| 維持期 | 30% | 25% | 45% | 体重(kg) × 30〜35 kcal |
| 減量期 | 35% | 20% | 45% | 体重(kg) × 25〜30 kcal |
「あれ?一般的なPFCバランスと比べてタンパク質が多いな」と思った方、正解です。
筋トレをしている場合、タンパク質の必要量が一般の人より明らかに多くなります。これにはちゃんとした根拠があります。
なぜ筋トレ中はタンパク質を増やす必要があるのか
筋トレをすると、筋肉の繊維に微細な損傷が起こります。体はこれを修復する過程で「前より少し強く」作り直す。これが筋肉が成長するメカニズムです。
この「修復と成長」に使われるのがタンパク質。だから筋トレをしている人は、していない人よりもタンパク質の必要量が増えるのです。
研究データが示す「最適なタンパク質量」
では、具体的にどれくらい必要なのか。
2018年にBritish Journal of Sports Medicine(英国スポーツ医学誌)に掲載されたメタ分析があります。49の研究、合計1,863名のデータを統合した大規模な分析です(Morton et al., 2018)。
この研究の結論はこうでした。
筋トレによる筋肉量の増加を最大化するには、1日あたり体重1kgにつき約1.6gのタンパク質が必要。上限の目安は体重1kgあたり2.2g程度。
出典:Morton RW et al. “A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults.” British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376-384, 2018.
さらに、国際スポーツ栄養学会(ISSN)のポジションスタンドでは、もう少し幅を持たせた推奨を出しています(Jäger et al., 2017)。
| 状況 | タンパク質の推奨量 |
|---|---|
| 筋トレをしている一般の人 | 体重1kgあたり 1.4〜2.0g/日 |
| 減量中(カロリー制限あり) | 体重1kgあたり 2.3〜3.1g/日 |
ここで注目してほしいのが減量中の数値です。カロリーを減らしながら筋肉を残したいなら、むしろタンパク質は増やす必要があるんです。 最近はコンビニでもプロテインが豊富な商品を多く見かけるようになりましたが、トレーニングをして減量を目指している方はむしろ積極的に摂取する必要があるんですね。「運動もストイックに、食べないダイエット」は逆効果。これは意外と知られていないポイントです。
P(タンパク質)だけじゃない。F(脂質)とC(炭水化物)の役目
筋トレの食事というと「とにかくタンパク質」と思われがちですが、脂質と炭水化物にもそれぞれ重要な役割があります。
炭水化物(C)=筋トレのガソリン
筋トレ中の主なエネルギー源は筋グリコーゲン。これは炭水化物を食べることで筋肉に蓄えられるエネルギーのことです。
炭水化物が足りないと、トレーニングの質が落ちます。重量が上がらない、セット数をこなせない、集中力が続かない。結果として「筋肉への刺激」が弱くなり、せっかくの筋トレ効果が半減してしまう。
「低糖質ダイエットしながら筋トレも頑張ろう」というのは、ガソリンを入れずに車を走らせようとしているようなものなんです。
脂質(F)=ホルモンの材料
脂質はテストステロンをはじめとするホルモンの材料になります。特に男性は、脂質を極端にカットするとテストステロンの分泌が減少し、筋肉の合成が鈍るという研究報告もあります。
最低でも総カロリーの20%は脂質から摂るのが目安。油が怖いと思われがちですが、減量中であっても、ここは削りすぎないことが大事です。
具体的な数値の出し方|3ステップで計算
ここからは、あなた自身の数値を出してみましょう。3ステップで完了します。
ステップ1 1日の目標カロリーを決める
| 目的 | 計算式 |
|---|---|
| 増量(筋肉を増やす) | 体重(kg) × 35〜40 |
| 維持(今の体型キープ) | 体重(kg) × 30〜35 |
| 減量(脂肪を落とす) | 体重(kg) × 25〜30 |
ステップ2 タンパク質の量を決める
体重に応じて、上の推奨量を当てはめます。
| 目的 | 計算式 |
|---|---|
| 増量期 | 体重(kg) × 1.6〜2.0g |
| 維持期 | 体重(kg) × 1.6〜2.0g |
| 減量期 | 体重(kg) × 2.0〜2.5g |
ステップ3 残りを脂質と炭水化物に振り分ける
タンパク質のカロリーを総カロリーから引いて、残りを脂質と炭水化物に配分します。
脂質=1gあたり9kcal、炭水化物=1gあたり4kcalでしたね。
計算例(体重65kg・維持期の場合)

ステップ1
- 目標カロリー = 65kg × 32 = 2,080kcal/日
ステップ2
- タンパク質 = 65kg × 1.8g = 117g(カロリー換算:117 × 4 = 468kcal)
ステップ3
- 脂質 = 2,080kcal × 25% ÷ 9 = 約58g(520kcal)
- 炭水化物 = (2,080 – 468 – 520) ÷ 4 = 約273g(1,092kcal)
最終的なPFC → P:117g / F:58g / C:273g
この数値をベースに、±10%くらいの幅で調整すれば十分です。数字をぴったり合わせることよりも、毎日だいたいこの範囲に収まっていることの方がはるかに大事です。
筋トレする日・しない日で食事は変えるべき?
よく聞かれる質問です。結論から言うと、初心者〜中級者は変えなくてOK。
プロのボディビルダーやアスリートは、トレーニング日に炭水化物を増やしてオフ日に減らす「カーボサイクリング」をやることがあります。でも、週2〜4回程度トレーニングする一般的な方の場合、毎日同じPFCバランスで食べた方がシンプルで続けやすいし、十分な効果が出ます。
「トレ日は炭水化物を増やして、オフ日はタンパク質メインで…」と日替わりで管理するのは、正直面倒です。面倒なことは続かないですし、続かなければ意味がありません。
毎日同じPFCをだいたい守る。これが最強の戦略です。
タンパク質の「摂り方」も大事。1回20〜40g × 3〜4回
ISSNのニュートリエントタイミングに関するポジションスタンド(Kerksick et al., 2017)では、こう推奨しています。
1日のタンパク質の総量を確保した上で、約3時間おきに均等に分けて摂取することが、筋肉合成を最大化するための基本戦略。
出典:Kerksick CM et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: nutrient timing.” Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14:33, 2017.
つまり、朝にプロテインを一気に60g飲んで、あとは何も摂らない…というのはもったいない。同じ60gでも「20g × 3回」に分けた方が筋肉の合成スイッチが入りやすいんです。
現実的な食事のタイミング例(体重65kg・維持期 P:117g)
| タイミング | メニュー例 | タンパク質の目安 |
|---|---|---|
| 朝食 | 卵1個 + ササミ納豆 + ごはん | 約25g |
| 昼食 | 鶏むね肉のグリル + ごはん + サラダ | 約35g |
| 間食(トレ前後) | プロテイン1杯 or ギリシャヨーグルト | 約25g |
| 夕食 | 焼き魚(鮭)+ 豆腐 + ごはん + 味噌汁 | 約32g |
| 合計 | 約117g |
無理にササミだけの生活をする必要はまったくありません。普通の食事に「タンパク質を少し意識して足す」だけで、目標値には十分届きます。
よくある失敗パターン3つ

❌ 失敗1:タンパク質だけ増やして炭水化物を減らす
「筋肉をつけるならタンパク質!炭水化物は太るから減らそう」——これはよくある誤解です。
炭水化物は筋トレのエネルギー源。これを削ると、トレーニングの質が落ちます。扱える重量が下がり、セット数もこなせなくなる。結果として筋肉への刺激が弱くなり、タンパク質をいくら摂っても筋肉が育ちにくくなります。
❌ 失敗2:減量中にタンパク質まで減らす
「カロリーを抑えたいから全部減らそう」と考えてしまうのは自然なことです。でも、カロリー制限中にタンパク質を減らすと、体は筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、ダイエットを続けても痩せにくい体になる。いわゆる「リバウンドしやすい体」の正体はこれです。
減量中こそタンパク質は増やす。これは先ほど紹介したISSNの推奨値(体重1kgあたり2.3〜3.1g)が示している通りです。
❌ 失敗3:PFCを完璧に管理しようとして疲弊する
毎食グラム単位でPFCを計算して、少しでもズレると罪悪感を感じる。これでは食事が楽しくなくなるし、何よりストレスで続きません。
大切なのは「だいたいの枠に収まっていること」。1日トータルで見て、タンパク質の目標量にだいたい届いていて、極端に脂質に偏っていなければOK。外食の日は細かいことは気にせず、翌日にゆるく調整すれば十分です。
「自分に合ったPFCがわからない」を解決するには
ここまで読んで「理屈はわかったけど、自分の場合はどうすればいいんだろう」と感じた方もいるかもしれません。
それは当然のことです。体重、体脂肪率、トレーニングの頻度と強度、日常の活動量、食の好み——人によって条件が違うので、ネットの一般的な数値がそのまま自分に当てはまるとは限りません。
実際に食事を変えた会員さんの声
Fit Mateで筋トレと食事指導を併用している30代男性の会員さんのお声です。

たんぱく質を意識して摂ること、食べるタイミングを整えること。この2つを変えただけで、体重が落ちたのはもちろん、お通じや朝の目覚めまで変わりました。周囲から『痩せたね!』『顔つきが変わったね!』と言われたのが一番うれしかったです。一人で頑張るより、プロに頼った方が圧倒的に効率がいいし、何より心強いです。
この方がおっしゃっている「たんぱく質を意識して摂ること」「食べるタイミングを整えること」は、まさにこの記事で解説したPFCバランスとタンパク質の摂り方そのもの。知識として理解するだけでなく、トレーナーと一緒に実践すると、しっかり体の変化として返ってくるということです。
Fit Mateでは、トレーニングの指導だけでなく食事面のアドバイスも行っています。
「PFCの数値を一緒に決めてほしい」「自分の食事が合っているか見てほしい」という相談も、トレーニングの中で気軽にできます。
1回30分・通い放題なので、食事の疑問が出た際にすぐに相談できるのが強みです。ジムに通う頻度が高いほど、トレーナーとのコミュニケーションも増えて、食事の精度も自然に上がっていきます。
まとめ|筋トレ中のPFCバランス チェックリスト
✅ タンパク質は体重1kgあたり1.6〜2.0g(減量中は2.0〜2.5g)!
✅ 炭水化物はカットしすぎない。筋トレのエネルギー源 !
✅ 脂質は最低でも総カロリーの20%を。ホルモンの材料です、カットしすぎないで!
✅ タンパク質は1回20〜40gを目安に3〜4回に分けて摂ろう!
✅ 普通の人であれば筋トレ日とオフ日で食事を変える必要はない!
✅ PFCバランスは大体80%守れていれば十分。完璧主義よりも継続を!
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